プログラミングスクールをなぜ無料に出来るのか、行かない方が良い人は?

 

プログラミングスクールは、通常20万~50万程度の料金です。

でも無料のところやキャッシュバックで実質無料のスクールがありますよね。

なぜ受講料を払わなくても成り立ってしまうのか。

 

その理由を知らずに、「無料だから」、「全額返ってくるから」と思って入校しては痛い目にあいます。

ここがプログラミングスクール業界の闇にもつながるところ。

「タダより高いものはない」ということになってしまうんです。

 

なぜかと言えば、受講生からお金を取らないのは、他からたくさん貰えるから。

お金の流れを知ってから、自分に合うプログラミングスクールを選んだ方が良いでしょう。

この記事では、無料のスクールで卒業したあとどうなりやすいのか、有料との違いやメリットデメリットなどを書いていきます。

 

私はと言えば、プログラミングスクール卒業のあと、よく紹介されるタイプのSESの会社で5年ほどプログラマーをやっています。

未経験でIT転職するとき、良くあっせんされるSESの会社に入ったらどうなってしまうのか!?

実際に未経験で現場に入ってきた人たちを、私の目で見てきて分かったことを伝えようと思います。

プログラミングスクールには種類がある

プログラミングスクールにも色々あって、簡単に次の3つに分けれるでしょう。

  • 子供向け
  • プログラミングスキル
  • IT転職支援

それぞれ見ていきます。

小中学生向け

条件分岐やループなど、プログラミングの考え方を学びます。

Python、Java、Html/CSSなどの言語を習得するのではなく、あくまで考え方だけ。

大人が行くところではありませんが、子供がいればお世話になるかもしれません。

プログラミングスキルを身につけるのがメイン

このタイプのスクールでは、IT転職したい人とは限りません。

趣味でプログラミングを始める方もいくところです。

他にも今ITエンジニアだけど、職場とは違うプログラミング言語を習得してスキルアップしたい方など。

 

受講料が数十万円もあれば、月数千円から1,2万円程で通えるところもあります。

転職の支援はちょっと弱いですが、その代わりスキルがしっかり身に付けられて、自分の力で自信をもってIT転職できるでしょう。

IT転職支援がメイン

ほとんどIT転職させるためのスクールです。

受講生のゴールも、ほぼIT転職です。

 

受講料が下は20万円程度から、高いところで100万円以上も。

どんな企業が紹介されるかは別として、IT転職できるよう本気で支援してくれるでしょう。

受講料を分割払いにする場合、転職できても出来なくても、1,2年間は払い続けることになります。

 

「IT未経験のために、給料の安いところにしか就職できなくて支払いが苦しくなった」

なんて事にならないよう、スクール選びはよく考えてから入校することをおすすめします。

プログラミングスクールを無料に出来る理由と注意点

無料に出来る理由こそ、プログラミングスクールの闇の部分に繋がります。

これをよく分かってからどこで学ぶか考えた方が良いでしょう。

転職先の企業から紹介料をもらえるから

企業に人を紹介して入社させられれば、高額の報酬がもらえます。

IT業界に限らず普通のリクルート系のところでも、安くて1人数十万円。

それがプログラミングスクールの場合、100万円を超えることだってあるんです。

 

だから無料に出来るし、転職成功で全額キャッシュバック出来てしまうんです。

全額返してしまったらスクールの儲けがなくなるのでは?と思うかもしれません。

受講料よりもっと高額のため、キャッシュバックしてしまっても十分スクール側の収入になります。

就職、転職しない場合はキャッシュバックもない

就職転職できなければ、紹介料がもらえません。

 

受講料は高いけど、キャッシュバックをあてにして入校すると、転職できなかった時にツライ目にあいます。

最初から完全無料のスクールもありますが、転職できないことで違約金が発生するかもしれません。

 

また、そこまでたどり着けずに途中で挫折する人も若干います。

スクールの勉強について行けずに、卒業できずフェードアウトしてしまうわけです。

自分が卒業できない可能性も考慮しておくべきです。

良い転職先だけ紹介されるわけじゃない、ブラック企業かも?

スクール側だってビジネスをしているので、利益を出さないといけません。

なので転職成功させるために、優良企業だけじゃなくていろんな企業をあっせんしてきます。

特に未経験でも入りやすい、SESの企業が多いです。

SESとは

システムエンジニアリングサービス、略してSESです。

ITエンジニアを派遣するわけですが、所属する会社の雇用としては契約社員や正社員となります。

 

自社で働くことは滅多になく、職場はほとんどが常駐先。

勤務時間や休日出勤の有無、テレワークか出社なのか、有給休暇の取りやすさなど全部常駐先次第です。

ではどこの企業が常駐先になるかと言えば、自社の営業さんが探してきた企業に面談に行って、先方がOKを出して自分もそこで働くことを了承した現場となります。

 

IT未経験の場合、自社の先輩社員が常駐しているところに入れてもらって、色々面倒を見てもらいながら働き始めることが多いでしょう。

出来ればガッツリ開発して、プログラミングの現場での経験を積みたいところ。

それが出来るかどうかは運しだいで、運用保守の現場だと年間100ステップも書かないこともあります。

 

それどころか、自社で待機になるのを避けるため、開発したいと思っていたのにインフラ系のところに入れられるかもしれません。

私が今行っている現場で、契約が先月で切れた新人の方は、「次の現場は基地局でのインフラの作業なんです」と言っていました。

まだ22歳くらいのかなり若い方なので、いろんな経験を積んでいくのもありでしょう。

 

他の方の場合、ほとんどコーディングする機会がなくテストの工程が多かった新人の方もいました。

中途でIT業界に入ったため、30歳が近くかなり焦る時期でしょう。

もっと開発経験を積めるよう、自社の営業さんに電話して面談の調整を行い、すぐに他の現場に行ってしまいました。

 

また、SESは直受け案件なんてほとんどありません。

3次受け、4次受けが普通です。

ガッツリ中抜きされて、高収入をあまり期待できないです。

2,3年でしっかりスキルを身に付けて、転職するかフリーランスで直受けで現場に入るような働き方にした方が良いでしょう。

 

SES企業を紹介されても稼げるようになるかどうかは、結局自分の意志次第です。

ヤバイ企業でも、転職させるためには伏せて紹介されるかも

とにかく転職させなければ、スクールの利益になりません。

何とか内定をもらって旅立ってもらう必要があります。

 

ちょっと質問です。

「あっせんされた所がもしもブラック企業だと分かっていたら、入社しますか、しませんか?」

 

その答えは誰でも同じになるはずです。

だからこそ、不都合な情報は教えてもらえないと思っておきましょう。

何でも教えてもらおうとはせず、自分で調べることが大切です。

有料と無料スクールとの違い、それぞれのメリットデメリット

メリットとデメリットの比較です。

メリット デメリット
無料
  • 全額キャッシュバックされれば、支払いが楽になる。
  • 最初から無料のところもある。
  • 転職先を斡旋してもらえる。
  • キャッシュバックしてもらえるところだと、転職しないと返してもらえない。
  • 転職以外の目的では入れない。
  • 斡旋先のネガティブな情報は伏せて紹介される可能性あり。
  • 無料だと、全然本気じゃない人が多くなりがちで、自分のモチベーションも下げられやすい。
有料
  • 一緒に勉強する人たちが、モチベーションの高い人たちになりやすい。
  • お金を払った分、真剣に向き合いやすい。
  • 趣味やフリーランス、スキルアップなど、自分の目的に合ったスクールを選べる。
  • 非常に高額なスクールもある。
  • 未経験で転職して、給料の安い会社に就いてしまった場合、分割払いが残っていて苦労する。
  • 自分に合わないスクールだったとしても、払った授業料を取り戻せない。(合わないと分かって退学するとき、月額制なら出費を最低限に抑えられる)

 

有料でも、無料でも、それぞれの良さがあります。

ですが、同時にデメリットにもなってしまう場合もあります。

例えば、転職先の斡旋など。

デメリットの影響が意外と大きいこともあります。

どのスクールにするのか、しっかり考えてから決めるべきです。

有料スクールでも安く通うには

有料の方が目的に合ったスクールを選びやすいです。

でも高い!!

なので、出来るだけ安く済ませる方法を紹介します。

厚生労働省の教育訓練給付制度で、最大70%をもらう

教育訓練給付金について、厚生労働省の説明を引用します。

働く方の主体的な能力開発の取組み又は中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とし、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給されるものです。

出典:教育訓練給付制度(厚生労働省)

 

受講料が50万円だったとして、35万円返ってくるとなるとかなりの助けになるでしょう。

 

ですが、すべてのプログラミングスクールが該当するわけではありません。

対象となっているかどうか、各スクールのホームページで確認する必要があります。

月額制、サブスクリプションタイプのスクールに通う

高額なスクールのクーリングオフは、通常8日程度です。

そんなに短期間で、はたして向き不向きが分かるでしょうか。

 

返金できなくなってから損するリスクが怖ければ、月額制のスクールがあっているかもしれません。

1カ月数千円から2万円余りで、プロのITエンジニアから教えてもらえるところが沢山あります。

合わないと分かって辞めたとしても、分割払いが残るような心配は不要です。

まとめ:スキルが身に付くプログラミングスクールを選ぶべき

プログラミングスクールを選ぶとき、まず考えるべきことが1つあります。

 

「何のために、通うのか!?」

 

趣味やスキルアップ、転職など人それぞれでしょう。

注意していただきたいのが、転職が目的の場合です。

そこがゴールになってしまうと、仮に入社後イマイチな会社だったと分かったとしても、他のIT企業に移るまでに苦労します。

 

心配を減らすなら、しっかりプログラミングスキルを身に付けておいて、より良い会社に入れる自分になることです。

だから自分の力でプログラミング出来るようになるスクールを選んで欲しいと思います。

 

また、出来るだけモチベーションの高い人が選ぶスクールに通った方が良いでしょう。

最初はやる気があっても、人は環境次第で自分も流されやすい生き物です。

自分のやる気を引き出すために苦労するのは避けたいもの。

目的を達成しやすい選択をすることが大切です。